【SOMMER CABLE】ヨーロッパの定番シールドケーブルが日本で本格始動!!~SPIRIT XXL編~
前回はSOMMER CABLEのSPIRITについて紹介をしました。
今回はSOMMERCABLEのシールドケーブル、SPIRIT XXLにスポットを当てて紹介していきます。
SPIRIT XXL
SPIRIT XXL(スピリット エックスエックスエル)
その名の通りSPIRITの芯線サイズを大きくしたモデルです。
シース(外側の被膜)もクリアブラックの特徴的で美しい外観をしています。
内部構成
SPIRITの芯線面積が0.50㎟に対してSPIRIT XXLの芯線面積は0.75㎟あります。
芯線の面積が大きくなると電気信号の伝播速度が速くなります。(電気特性的に表現すると減衰量が少なくなります。)
そのため信号が遅延なくアンプへと伝わりより原音に近い音が再現できる、或いはよりパワフルな音が再現されます。
SPIRITと同様にシールド率は100%、錫メッキ加工、高密度逆方向巻ダブルスパイラルシールド、半導体カーボンによる強固な遮蔽構造となっており内部から発するノイズ、外部から受けるノイズを完全に遮断します。
さらに耐久性と柔軟性を両立させたクリアブラックのシースを纏っており、長距離使用も難なくこなします。
サウンドキャラクター
芯線面積以外の構造自体はSPIRITと同じためサウンドキャラクターの傾向は似ており原音のニュアンスを忠実に再現してくれます。
音の密度も非常に高く、一本一本の弦の音も太くしっかり出ています。
出音の帯域を見てみるとSPIRITの出ていた帯域に低音の部分がプラスされたパワフルなサウンドになっています。
これはストラトキャスターをSPIRITとSPIRIT XXLそれぞれを繋ぎクリーントーンで鳴らした時の音の周波数帯域を表したグラフです。
中音域、高音域部分の波形の形はあまり変わっていませんが低音域の部分がSPIRITに比べてかなり上がっています。
300Hz辺りの音の「太さ」に影響する帯域周辺と4KHzあたりの「音抜け」に影響してくる帯域周辺はしっかり持ち上げつつ、低音域部分の「音圧」の部分もプラスされたケーブルになっています。
SPIRITの持ち味であるソリッドな切れ味鋭い音は残しつつ重心を少し下にさげたような印象です。
全帯域をカバーした音圧のある音
バッキングのフレーズを弾いている際にもう少し音圧がほしいとメンバーから言われ、
アンプのBassのつまみを上げてみたけれど
音がもこもこして輪郭が曖昧になるだけでかえって良くない音になってしまったという経験はありませんか?
SPIRIT XXLの特徴は低、中、高音域のそれぞれの美味しいところを潰し合わない絶妙なバランスでできているところです。
音抜けや音の太さを求めるがゆえにアンプでMiddleやHighやPresenceのつまみを上げてみたけれどキンキンの耳の痛い細い音になってしまったり
音圧が欲しくてBassのつまみをあげると輪郭がぼやけて音抜けや音の太さを損なってしまったり
アンプだけで音を作ろうとするとうまくいかないことが良くあると思います。
ましてやライブハウスのアンプを使っていらっしゃる方でしたら
使い慣れているライブハウスのアンプならまだしも
始めて行くライブハウスで、鳴らしてみるまでどんなクセのあるのかもわからないアンプをリハーサルの限られた少ない時間内で音作りしなければいけません。
SPIRIT XXLは全帯域がとても素直に出てくれるため曲の中でバッキングもリードも担当するギターの方にはとてもおすすめのケーブルです。
まとめ
SPIRIT XXLはSPIRITと同様にジャンルでいうとロック向きのケーブルかと思います。
歪みの乗りももちろん良いですし、低音のグワっと迫ってくる音はとても魅力的です。
音抜けの良さや音の太さの他に低音がしっかり出てくれるケーブルのため
スリーピースバンドのギターの人やバンド内でギターが一人でリードフレーズもバッキングも担っている人、ギターボーカルのバッキングギターなどに向いているケーブルではないかと思います。
また低音域が充分ベースにも対応するほど出ているのでソリッドな音や歪ませた音でベースを鳴らしたい人にもかなり向いているケーブルとなっています。
「音圧」「音抜け」「音の太さ」の悩みはギターやベースの永遠のテーマではないかと思います。
三つのうちどれかを得るために仕方なくその他を犠牲にしている人はぜひ一度SPIRIT XXLを試してみてください。